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89 運送品の受取りなしに発行された貨物引換証の効力

商法(総則・商行為)判例百選第4版 89事件
大判1938.12.27(S13.12.27)

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論点:貨物引換証の要因証券性(有因証券性)と文言証券性との関係→空券または品違いの場合

○要因性を重視--文言性は運送契約の存在を前提とし、空券の場合原因を欠くので無効となり、品違いの場合は実際に受け取った物を渡せばよい。→証券発行者の不法行為責任を追求。
→この場合、文言性とは証券の記載に一応の証拠力が認められるに過ぎない。

○文言性を重視--要因性とは原因を証券に記載するという意味にすぎず、証券の作成行為そのものが有効であれば空券・品違いのばあいも証券は有効。→全部滅失(空券)、一部滅失・毀損(品違い)に準じて、債務不履行責任を追求。

◎この判例の規範
○空券は無効。
○空券を発行の後、運送人が運送品を受け取っても、証券が有効になるわけではない。
→要因性を重視。

→c.f.品違いの場合は文言性を重視するのが判例[大判1936.02.12(S11.02.12)など]。

学説--多岐にわたる。
○要因性を重視しつつ、証券作成者は禁反言により、善意の第三者に無効を主張できない。
○受取認証文句について文言性を否定し、空券については文言性によって証券所持人を保護できないが、運送人は契約締結上の過失の理論によって責任を負担すべき。