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45 宅地建物取引業者の報酬請求権

商法(総則・商行為)判例百選(第4版) 45事件
最判1969.06.26(S44.06.26)

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○宅建業者は、いわゆる民事仲立人である。
→一般的には、商法543条の「他人間ノ商行為ヲ媒介」を業とするとはいえない。しかし、仲立を営業として行うことは商行為にあたる(商法502条11号)ので、宅建業者は商人である。

○媒介の委託がない場合の報酬請求権
・商人は、商法512条により、その営業の範囲内で他人のためにある行為をすれば、報酬請求権を有する[同旨、最判1975.12.26(S50.12.26)]。
・判例によると、委託は黙示でも可[例えば、最判1968.04.02(S43.04.02)]。
・さらに、判例・通説は、委託がなくても事務管理であれば商法512条にいう「他人のため」にあたり、報酬を請求可能と解している[大判1932.09.29(S08.09.29)]。

○本判決
→黙示の委託、事務管理が認定されなかった結果、報酬請求権が否定された。

○前掲1975年最判の基準
「客観的に見て、当該業者が相手方当事者のためにする意思をもって仲介行為をしたものと認められることを要し、・・・・その仲介行為の反射的利益が相手方当事者にも及ぶというだけでは足りない」→予期しない業者等から不意打ち的に不当な報酬請求がなされる事態を避ける趣旨(最高裁調査官解説)。

○商法550条2項の民事仲立への類推適用の可否
a)肯定説
・仲立の本質から区別する理由がなく、民事仲立人の行為により当事者双方が利益を享受。
・宅建業者は非委託者に対しても業務上の一般注意義務を課されている。
b)否定説
・非商人間の宅地売買等は非投機的・非営利的
・民事仲立人には紛争防止義務や介入義務等の特別の義務が課されていない。
・民事仲立の場合非委託者は通常業者と対立関係にあり委託者と等しく仲介の利益を得ているとはいえない。

→本判例の理解は様々あるが、判例動向としては否定説で統一。

○事務管理と認められるための基準
→事実認定の問題であり、かなりの不確実性を伴う。
→「不意打ち」にならないよう慎重に認定すると、基準としては「黙示の委託」に近接。
○非委託者に対してあらかじめ報酬について告げておくことが望ましい(c.f. 宅建35条「重要事項説明義務」)。