51 非商人たる保証人の求償権と商事消滅時効
商法(総則・商行為)判例百選 51事件
最判1967.10.06(S42.10.06)
○商法522条にいう「商行為によって生じた債権」の意義
・当事者のいずれか一方のために商行為である行為によって生じた債権であればよい(判例・多数説)。
・商行為によって直接発生する債権のみならず、商行為によって生じた債権と同一性を有するものやその債権の実質的効力範囲に属するものを含む(債務不履行による損害賠償請求権や契約解除による原状回復請求権など)。
・今日の判例→商法522条が適用・類推適用されるべき債権を「商行為によって生じた債権」またはこれに「準ずる債権」に拡大、「準ずる債権」に該当するかどうかを取引の迅速結了の要請の有無から個別具体的に判断する傾向。
○保証人の求償権について
・求償権の根拠は?
a)内部関係説→主債務者・保証人間の保証委託契約が根拠。
b)保証契約説→債権者・保証人間の保証契約が根拠。
→保証契約説では、なぜ契約の第三者たる債務者に求償に応じる義務が発生するのかが疑問。
c.f. 民法では委任、または事務管理の特則とされている。
→内部契約説によるべき。
・内部関係が商行為であったとしても、求償権が必然的に商事債権になるのか?
→求償権は、保証委託契約から直接に発生する債権ではないから。
→よって、「迅速結了を尊重する商取引の要請」などを考慮する。
・商522条の適用対象を「準ずる債権」にまで拡大するならば、保証契約のみ商行為性が認められる場合でも522条の適用を否定する必要がないのでは?
→求償権の法的性質は受任者等の費用償還請求権であったとしても、その発生には保証契約の締結と弁済という要件が必要であり、保証契約と求償権には相当の関連性がある。
←→この場合、求償権については「迅速結了」の要請がないのでは?
←→求償権だけ民事消滅時効にかかるという不合理性。
・他の共同保証人に対する求償。商法3条2項との関係。