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AIREDGE PRO使用レポート

この度、PHS業者であるウィルコム(旧DDIポケット)が発売した「AIREDGE PRO」対応のデータ通信カードを入手した。使ってみた印象などをまとめる。

概要
「AIREDGE PRO」は、PHS最速の256Kbpsデータ通信(32K×8)サービスにつけられた名称である。現時点では、2月18日に発売されたAX510NというPCカード型端末が対応している。
通信速度の高速化とあわせて、専用ユーティリティをあわせて使用することによってデータ転送速度をさらに上昇させるという「MEGAPLUS」というサービスを提供しており、体感的には1Mbps以上に相当する、とウィルコムは謳っている。

AX510N
AX510N

端末の印象
パソコンに装着した際に外に飛び出す部分が大きい。また、アンテナが可動式になっている点も、性能面はさておいても、携行性という観点からはマイナスである。今まで使用していたカード(SII MC-P300)では、私はカードを差したままパソコンを鞄に入れていたが、今度のカードは、カードを差したまま鞄の中に入れて携行するのは躊躇がある。

使用した印象
実際に使用してみたところ、相当速いという印象をもった。特に、Webブラウジングについては、あまりストレスを感じなかった。今まで使っていたのが64Kbps対応の古いカードで、相当モタモタした印象だったのと比べると画期的である。
ただ、専用ユーティリティは画像に圧縮をかけることによってスピードを上げるというのが一つのキモになっているので、やはり画質は相当に劣化する(圧縮比は変更できる)。また、メール転送やファイル転送については、それなりにスピードがかかっているように思った。専用ユーティリティは、独自の高速サーバを経由することによって加速している、というが、その効果のほどは体感できる、というほどではなかった。

photo01
圧縮なし

photo02
最大圧縮

ベンチマーク
では、客観的な数字としてはどうなのか。www.speedtest.jpという速度測定サイトを使用してみた。すると、専用ユーティリティ使用時は、大体において180Kbps(最速で227Kbps)くらい出ているものが、専用ユーティリティをオフにすると、どうがんばっても90Kbpsに届かない。簡単な実験であるが、とりあえず高速サーバの効果はある、ということはいえそうである。

まとめ
ウェブブラウジング程度に使用するなら、このサービスは必要かつ十分な機能を有している、といってよいと思う。私のインターネット活用も基本的にはそのレベルに止まっているので、十分である。
唯一のネックは、価格面であろうか。端末価格が17000円以上する上に、通信料金も、つなぎ放題のコースだと、1万円を超える。私は快適な通信環境にはそこそこお金を使っていい、と思っている方なので、とりあえず端末価格には目をつぶったが、通信料金はさすがに25時間まで定額のコースにせざるを得なかった(それだと、いろいろな割引サービスを併せるとなんとか5000円台に持っていけた)。
もう少し安かったら、つなぎ放題にするのになぁ。

ウィルコムWX310Kを使用した感想

2005年11月、PHS業者のウィルコムが3つの新機種を発売した。筆者はそのうち、京セラ製のWX310Kを入手したので、簡単な感想などをまとめてみる。

特徴
この機種の最大の特徴は、Operaブラウザを使用したインターネット閲覧機能である。従来京セラが出していた機種(「京ぽん」という愛称がユーザーによって付けられていたようだ)にもOperaが搭載されていたが、通信速度が32Kbpsと貧弱で、筆者は導入を見送っていたのであるが、WX310Kは128Kbpsの通信速度が出せるようになった。汎用USBケープルによるパソコンとの接続も可能。あと、miniSDスロットがついていて、USB接続時にパソコンにストレージとして認識させることも可能(ただ、その機能を使っている間は電話機能が使えない)。
POPメーラーで一般プロバイダのメールも読み書きできる機能も「京ぽん」から引き継いでいる。
いまや携帯には必須のアイテムとなったカメラ機能も、130万画素(従来は10万画素程度)と、かなり携帯に追いついた。また、マイクロソフトオフィスやPDFファイルの閲覧機能などもついているが、有料オプション。

見た目的な印象
とりあえず、端末がずいぶんと大きくなった。PHSの売りは端末のコンパクトさであると思っていたので、これは個人的にはマイナスポイント。
液晶画面はかなり綺麗な方だと思う。少なくとも、最近の携帯端末と比べてもさほど遜色はない。

Operaによるインターネット閲覧
かなり再現性は高く、cssやフレームを使用したようなページもほぼ問題なく閲覧可能なようである。
ただ、128Kbpsだと最近のブロードバンド前提のページは読み込みがかなり時間がかかる。
オプションで画像読み込みを切ることができるので、そうすると、かなり速い(ま、当たり前か)。筆者は大体、文字情報を中心にインターネットを閲覧するので、基本的には画像読み込みを切って使用している。
また、当たり前ながら液晶が狭く、ポインタも操作性が悪いので、見やすいわけではない。

カメラ
率直、画質はかなり悪い。トイデジカメの印象。これはちとがっかりである。

メール機能
メールの使い勝手は普通である。Bccの自動設定ができれば文句なかったのであるが、その機能はないようである。筆者は、複数のパソコンでメールをやり取りするために、メール送信時に、Bccで自分自身に送ることで情報の同期を行っているのだが、いちいち手で設定するのは面倒である。

その他
日本語入力は、Advanced Wnn V2であるが、Wnnの変換がこんなに悪いとは率直思っていなかった。かなりがっかりである。予測変換機能は使っていないので、ひょっとすると使った方がいいのかもしれないが・・・・。
たまに、処理がもたつく、というか、遅れる場合がある。特に文字入力時。

料金について
料金コースとして筆者が選んだのは、ウィルコムのPHS同士の通話が無料になる、定額プラン(月額2900円)に、オプションのデータ定額(10万パケットまで1050円、その後従量で3800円が上限)である。パケット数は、約1週間使って58000程度になっている。思ったよりかさむな、という印象。
データ定額は、auのダブル定額と似たようなサービスであるが、auのダブル定額は8万4千パケットで上限の4200円にいってしまうので、それと比べるとリーズナブルでは、と思う。
端末の価格はかなり高い。筆者は10ヶ月以上使用で24800円を費やした。インターネット機能を除いた端末の性能としては、少し前の携帯程度なので、ちょっと高いな、という印象は否めない。

とりあえずのまとめ
かなり辛口気味に感想を書いてみたが、最も期待をかけていたインターネット機能については、そこそこ満足している。オプションの高速化サービスを使用すれば、さらに体感速度が速くなることが予想できる。
その辺は、おいおい追加のレポートを出せるようにしたいと思っている。