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2005年11月21日

会計監査人は会社の機関か

今日は、話題の新刊、葉玉匡美編著『新・会社法100問』(ダイヤモンド社)を入手しました。新会社法の立案に関与した法務省民事局付検事らが、資格試験用に、会社法の問題(含・司法試験過去問、公認会計士過去問)の答案作成例を示す(しかも新会社法対応)というすぐれもの(ただ、誤植が多いのでお急ぎでない方は重版を待った方がいいと思います)。

パラパラと読んでいて気になったところ。「会計監査人は会社の機関か」という論点。

従来の商法特例法の解釈では、会計監査人は会社との委任契約により、会社の外部から監査するのであり、会社の機関には含めないとされていたようです(神田秀樹『会社法(第6版)』158頁)。

一方、新会社法では、第二編「会社」の第四章「機関」の中に会計監査人の節(396条~399条)が入っております。それを見て、あぁ、会計監査人も機関になったのかな、と思っておりましたら、商法の担当教員は「違う、変わっていない」と申しておりました。んで、素直な私は「はぁ、そうでっか」とそのまま鵜呑みにしていたのです。

ところが、『新・会社法100問』には「機関である」と書いておるではないですか(葉玉編・前掲書197頁)。なお、神田教授の本の最新版でも、上記の「機関ではない」という記述は消えておりました(神田秀樹『会社法(第7版)』197頁~参照)。

これは、再確認の必要がありますなぁ。

(補足)文献引用の仕方は、正規の方法に依っていないよ。だって、所詮ウェブログだもんね(突っ込まれる前に言い訳)。

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各所で話題沸騰の 葉玉匡美編著「新・会社法100問」(ダイヤモンド社)ですが、 私は手に入れてません。 さて、熊嶺通信ウェブログさんのところで、... [詳しくはこちら]

コメント

この論点、今回の条文を素直に読めば、やっぱり機関になったと見るべきなんだろうなと、私は思ってます。
ただ、これまでの特例法の解釈としての「会計監査人は会社から独立している」っていう論理をぶつけると機関でないと言ってもまったくおかしくない気もします。
会計監査人に対する株主代表訴訟が認められていることに鑑みると、会計監査人の会社からの独立性はさほど高くないとみるべきだという立法者の判断がどこかにあるような気もしますが。

会計監査人は、役員ではないが、やはり機関であると
いうのが正解のようですね。

尤も、議論の実益があるのかないのか。機関であろうと
なかろうと一定の責任が課されているのだから・・・・。
社外取締役を考えると社外性の強調は決定打には
なりませんしね。

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