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2009年5月の記事一覧

2009年5月 6日

光速を超える現象

星新一のエッセイで読んだと記憶しているのですが、光の速さを超える現象があるとのこと。

「仮に、男の宇宙飛行士が地球に身重の妻を残して何光年も離れた星にいたとする。妻が子どもを産んだ瞬間、男はパパになる。これは光の速度を超えた現象ではないのか。」

文章としては正確じゃないけど、ま、こんな感じの話ですワ。


幸村誠氏の漫画「プラネテス」でも似たような話がありますね。番外編みたいな話で、ですが。単行本3巻に掲載。

(以下ネタばれ注意)

西暦2050年、阪神ファンの宇宙飛行士である星野ゴローが火星にいて、阪神V8(笑)が決まる試合をTVの「生中継」で観ているがあまり嬉しそうでない。

「「生中継」ったって地球(おか)からここにデンパが届くまで近い時でも3分以上かかるじゃないスか。そんなんで「今! 優勝!」なんて言われても何かシラけるっスよ」

でも、その宇宙飛行士が地球(おか)に残してきた妻のハルコさんがゴローの子ども生んだ時はなんとなくわかっちゃうんだな。

「男の子だ。なんか・・・・なんとなくわかる」


で、なんでこんな話書いてるかというと、ワタクシもこの現象を体験したからです。なんとなく女の子だと思っていましたが、やっぱり女の子でした。まぁ出産の時に余所の星にいたわけでなく、病院の隣の部屋で待ってましたが。妻の出産が新司法試験と重ならないでよかった。

読者の皆様からすると、アンタそもそも結婚しとったんか、という話もあるのですが、ウェブログには書いてなかっただけですスミマセン。ただ最近の話です。生まれた子は「推定されざる嫡出子」ってやつですから。

2009年5月17日

第4回新司法試験終了

二回目の挑戦ですが、今日終了しました。

直前期に子どもの誕生でバタバタしていましたが、試験受けることが出来てよかった。


結果は、どうなるでしょう。事務処理量の多い問題が多く、不完全な記述になってしまった科目が多いので、今年も厳しそうな印象。どうもイカンなぁ。

ま、今更泣き言を言っても仕方がないので、9月まで勉強しながら待ちますかね。

2009年5月18日

初日算入

昨日まで実施されていた第4回新司法試験の問題が早速法務省のサイトにアップされています。

受験者は7392人(速報値)だったそうですな。受験予定者は9564人でしたから、受験率77.3%となり、受け控え率はおそらく過去最高かと。

今年合格しないと司法修習の際の給料が貰えなくなるのですが、多くの人は意外とそれを気にしていないのかな。

※ ※ ※

今日は、試験のために先送りにしていた子どもの出生届を区役所に提出してきました。戸籍法は初日算入なんですね。最初原則通り不算入かと思って「6日生まれということは20日迄に出せばいいということやな」と考えていたので、あやうく〆切を過ぎるところでした。

民法
第140条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

戸籍法
第43条1項 届出期間は、届出事件発生の日からこれを起算する。

第49条1項 出生の届出は、十四日以内(国外で出生があつたときは、三箇月以内)にこれをしなければならない。

2009年5月19日

「受け控え」の詳細についての検討

昨日当ウェブログで書いた、第4回新司法試験の「受け控え」について、詳細に考えてみました。仮定をおいているところとかあるので、一応眉につばをつけながらご覧いただければ。


まず昨日も書いたように、今回の受験率77.3%は過去最低の記録となります。以下、各回の受験率などについて。

受験予定者(a) 受験者数(b) 受験率[(b)/(a)] 合格者数(c) 合格率[(c)/(b)]
第1回(2006) 2125 2091 0.984 1009 0.483
第2回(2007) 5280 4607 0.873 1851 0.402
第3回(2008) 7710 6261 0.812 2065 0.330
第4回(2009) 9564 7392(速報) 0.773 2400~2900? 0.325~0.392?

※数値は以下を除き、法務省サイト「資格試験 新司法試験」より。
 2009年度の受験者数は報道より。2009年の合格者数は、第34回司法試験委員会会議(2007年4月19日)の「ヒアリング提出資料」中「新旧司法試験合格者数案」(PDFファイル)より。

今年の試験が給費の司法修習に行けるラストチャンスなので、受験率は低くはならないだろうと踏んでいたのですが、意外なことです。


ありうる要因としては、今年が第4回目と言うことで、いわゆる「三振」、すなわち受験回数制限の最後にかかった受験生がこれまでと比べて多数存在し、それらの方々の多くが「受け控え」したのでは、ということです。そのことについて、少々仮定を交えながら検討してみましょう。


昨年実施の第3回新司法試験については、受験予定者数合格者数のそれぞれについて、受験回数毎の数を示す資料が存在しています。

残念ながら受験者数について受験回数毎にまとめた資料は見つけられなかったのですが(もしご存じの方おられたらご教示ください)、仮に各受験回数毎の合格率が同じであると仮定すれば、上記の各受験回数毎の受験予定者数、合格者数から各受験回数毎の受験者の数が試算でき、受験率も試算することができます。以下にその試算を示します。

受験予定者(d) 合格者数(e) 試算した受験者数(f)=[(e)*(6261/2065)] 試算受験率(g)=[(f)/(d)]
1回目 4890 1312 3977.9 0.813
2回目 2333 633 1919.2 0.823
3回目 487 120 363.8 0.747

予想通り、3回目の受験者に「受け控え」が多いことを示唆する試算が出ました。

そして、今年についても、受験予定者に関して各受験回数毎の数値が公表されていますので、各受験回数毎に昨年と同じ受験率であったと仮定した場合の受験者数を計算してみます。

今年の受験予定者(h) 昨年の試算受験率(g) 今年の受験者数の計算[(h)*(g)]
1回目 5349 0.813 4348.7
2回目 3116 0.823 2564.5
3回目 1099 0.747 821.0

この試算だと、受験者数は計7734.2人と計算され、全体の受験率は80.9%となりますので、昨年と比べてさほど違いが出るわけではありません。うーむ、すると、上記仮定に依拠する限り、3回目の受験者の多さだけでは説明できないですね。

とすると、受験者全体の動向として、今年の受験を回避する要素が存在するということになりそうですね。

全体的な受験者の動向として「受け控え」が増える要因を考えると、今後の新司法試験が合格率上昇が見込まれるということがあろうかと思います。すなわち、旧司法試験の廃止と新司法試験への一本化により合格者数が増加するであろう一方、法科大学院の定員削減によって受験資格保有者の増加傾向に歯止めがかかることから、今後合格率は高くなることでしょう。5年以内に3回というチャンスを出来る限り有効に使うという観点からすると、合格率の高い回にカードを切る方が理屈上は賢いということになりそうです。実際に賢明な策かどうかは分かりませんが。

このへんは、データいじってもわからないところですから何とも言えませんが、個人的には今回の第4回新司法試験の合格率が悪くとも昨年並み、ひょっとすると上がりそうで、ちとラッキーかな、と。

2009年5月20日

ささやかなヤマ当て

そういえば、今回の新司法試験では、当ウェブログで試験直前に扱った内容がいくつか出ました。

まず、4月30日に楽天とTBSの話の関連で会社法の組織再編のあたりの条文を見ていたのですが、論文式民事系第2問で吸収合併の話が出てきたので、そのときの条文確認が少々役に立ちました。

つぎに、4月28日に民法724条の除斥期間の話を書きましたが、そこで取り上げた最判1998(H10).06.12の内容が、短答式民事系で出てきました。

ささやかに、ヤマが当たった感じです。

2009年5月21日

乾燥

札幌はからっとした気候の街で、過ごしやすいのですが、乳児を抱える身としては部屋の中が乾燥しすぎて困ります。感染症の流行っているご時世でもありますし。


室内の湿度計によると、のべつ10%台で、ヘタをすると0%指している時もあったりします。

そもそも室温が高すぎるのもよくない。断熱効果の高い札幌の住宅は、熱を閉じこめてしまいやすく、結果として飽和水蒸気量が多くなってしまい、相対的に湿度が下がってしまうのよね。今日は札幌でも最高気温28.4℃と夏日やったしなぁ。

加湿器、買うかなぁ。

2009年5月22日

器物損壊? 自然公園法違反?

西海国立公園・九十九島の岩に落書き...環境省「被害届も」」(ヤフーニュースより)

国立公園内の自然の岩に落書きした人がいて、関係者が立腹しているという話。まったくけしからん行為であることは疑いないのですが、記事中で「環境省は、器物損壊と自然公園法違反の疑いがあるとみて」いるとあるのに引っかかりを覚えてしまいました。

第一に、器物損壊について。

まず、本件岩が器物損壊罪の客体たる「物」にあたるでしょうか。この点、岩は土地の一部として不動産の構成部分だから、一応器物損壊の客体たる「物」には該当するのかな。ここは問題ないということにしておきましょう。

参照裁判例:「田に生育したれんげ草」を器物損壊の客体として認めた東京高判1956(S31).11.22

次に、物に落書きする行為は物の効用を害する行為といいうるので、本件岩に落書きする行為も器物損壊といってよいでしょう。

参照裁判例:コンクリート塀にスプレー式ペンキで落書きした行為が、器物損壊罪に当たるとされた福岡高判1981(S56).03.26


ただ、環境省つまり国が親告罪である器物損壊で「被害届」を出すためには、前提として当該岩が国有地内になければならないのではないでしょうか。
アメリカのナショナルパークは営造物公園というやつで、国立公園内は全部国有地なんですが、日本の自然公園はいわゆるゾーニング制公園というやつで、自然公園は地域を定めているに過ぎず、エリア内に民有地があることもありえます。仮に当該岩が民有地にあるならば、被害届は地権者が出すことになろうかと。

この点、被害届は「犯罪の被害に遭ったと考える者が、被害の事実を警察などの捜査機関に申告する届出」にすぎず、被害届提出権者は告訴権者と同列に論じなくてもいいのかもしれませんが、所有者でもない者が「被害・・・・を申告」するというのは違和感があります。

当該岩は、国有地内にあるのでしょうかね。


第二に、自然公園法違反の点について。

本件地区は自然公園法上の特別地域(自然公園法13条)にあると思われるのですが(エリア図参照)、落書き行為が自然公園法13条3項各号の列挙事由のどれに当たるのかが、よくわかりませんね。


自然公園法13条3項
 特別地域(特別保護地区を除く。以下この条において同じ。)内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、当該特別地域が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為(第五号に掲げる行為を除く。)若しくは同号に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為若しくは第七号に規定する物が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。
一  工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
二  木竹を伐採すること。
三  鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
四  河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
五  環境大臣が指定する湖沼又は湿原及びこれらの周辺一キロメートルの区域内において当該湖沼若しくは湿原又はこれらに流水が流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
六  広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。
七  屋外において土石その他の環境大臣が指定する物を集積し、又は貯蔵すること。
八  水面を埋め立て、又は干拓すること。
九  土地を開墾しその他土地の形状を変更すること。
十  高山植物その他の植物で環境大臣が指定するものを採取し、又は損傷すること。
十一  山岳に生息する動物その他の動物で環境大臣が指定するもの(以下この号において「指定動物」という。)を捕獲し、若しくは殺傷し、又は指定動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
十二  屋根、壁面、塀、橋、鉄塔、送水管その他これらに類するものの色彩を変更すること。
十三  湿原その他これに類する地域のうち環境大臣が指定する区域内へ当該区域ごとに指定する期間内に立ち入ること。
十四  道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境大臣が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
十五  前各号に掲げるもののほか、特別地域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの

そのへん、環境省はどう考えているのでしょうかね。


この記事を書いていて気付きましたが、TKCローライブラリで、「東京高等裁判所(刑事)判決時報」のPDFが見れるようになっていたのに驚き。
法科大学院在学中に刑事訴訟法のレポートか何かの関係で、捜査機関が隠しマイクによる盗聴(バッギング)を行ったことが問題となった日本共産党十日町事件[東京高決1953(S28).07.14]の決定文が調べたくて法学部の資料室に調べに行ったのですが、当時法学部が耐震工事中で、当該決定の掲載された「東京高等裁判所(刑事)判決時報」は図書館の地下の奥の奥に段ボールで仮置きされていたんだよな。
その経験から、「東京高等裁判所(刑事)判決時報」は見つけにくい資料というイメージがあったのですが、PDF化されているのか。

2009年5月23日

泣きすぎたら出べそになる?

乳児は泣くのが仕事ですから、生まれて3週間も経たないうちの娘も腹が減っては泣き、おむつが濡れては泣き、抱っこしてほしくて泣きとよく泣きます。

そんなものかと思っていたのですが、うちの娘はとりわけよく泣くようで、その証拠(?)に、ここ数日で「出べそ」っぽくなってきてしまいました。育児書の古典的名著と考えられる、松田道雄『育児の百科』によると、この時期の出べそは腹圧が加わって起こり、腹圧が加わるということは気ばってるか泣いているかということで、よく泣く子は出べそになりやすい、そうな。

定本育児の百科 上 5カ月まで 岩波文庫」(オンライン書店ビーケーワンへのリンク)

ということで、娘が泣いていると「そんなに泣くと出べそになるで」といってあやすようにしております。

2009年5月24日

社労士試験

去年は新司法試験の合格発表までの間の勉強として日商簿記2級を受験したりしたのですが、今年は8月下旬の社会保険労務士試験を受験することにしました。

労働法の知識とか、あって損はないでしょうからね。

なお出願は5月末までなので、興味を持たれた方、取り急ぎ願書は各都道府県の社会保険労務士会で配布されているようなので、入手されるのがよろしいかと。

社会保険労務士試験オフィシャルサイト

2009年5月25日

また核実験か!

本日、朝鮮民主主義人民共和国が2006年10月に次いで2度目の核実験を行ったとのこと。

私は、いかなる国の核実験であろうとも反対なので、大変憤りを覚えています。

核兵器は最悪の非人道兵器ですから、今持っていない国は持つべきではないし、持っている国も廃絶する方向に進むべきです。
「核クラブ」以外の核保有を正当化する論として、現在の核不拡散体制は「核クラブ」に核兵器を独占させている点で不平等であるから、全ての国が平等に核兵器をもつ権利を有する方がましなのだ、というのもあろうかと思いますが、私はその立場には与しません。核兵器なんぞこの世の中になければないほどいい。もちろん、「核クラブ」の連中も核兵器をどんどん減らして、ついにはゼロにしてほしいのですが。


あと、今回の実験は、前回と比較してかなり強力な爆発が起こったものと推測されています。核実験による実験場付近の放射能汚染が懸念されます。核実験は朝鮮民主主義人民共和国にとっても、自国の人民を危険にさらす愚かな行為であると言わざるを得ません。

2009年5月26日

環境影響評価法23条

電気事業のCO2減へ枠組みを=小名浜火力計画で正式意見-環境省」(ヤフーニュースより)

火力発電所の建設に関して、環境大臣が、二酸化炭素排出削減対策が不十分であることを理由として「計画内容について是認し難い」とする意見を経済産業大臣に提出したというニュース。意見提出の根拠は環境影響評価法23条。

環境影響評価法23条(環境大臣の意見)
 環境大臣は、前条第二項各号の措置がとられたときは、必要に応じ、政令で定める期間内に、同項各号に掲げる者に対し、評価書について環境の保全の見地からの意見を書面により述べることができる。この場合において、同項第二号に掲げる者に対する意見は、同号に規定する内閣総理大臣等を経由して述べるものとする。

なお、環境影響評価(アセス)については、環境省の「環境影響評価情報支援ネットワーク」というウェブページがよくまとまっていると思います。

アセスの流れや環境大臣の意見の位置づけは、このフローこのフローを見ていただければよいかと思います。


「社労士試験 一日一問一答」という面白げなブログパーツを見つけたので、貼り付けておきました。

2009年5月27日

学資保険

娘の名前の入った保険証ができたので、区役所に行って「子ども医療費助成」の手続をしてきました。札幌市の場合、親の所得制限を満たせば、未就学の子どもの医療費は原則市が助成してくれます。

あと、郵便局に出向き、娘名義のゆうちょの通帳を作ってきました。児童手当の分くらいは貯金しておこうかと思いまして。

口座開設にあたっては誕生日を記載する必要があり、娘が0歳児であることが窓口の人にはわかるので、学資保険の勧誘を受けました。とりあえずプランを郵送してくれるそうです。

2009年5月28日

タケノコ泥棒と事後強盗

タケノコ1本 強盗致傷 容疑の女逮捕」(産経関西のサイトより)

タケノコ泥棒が竹林の管理人に見とがめられ、逃げる際に鎌で切りつけてしまったという事件。

見出しは強盗致傷となっていますので、刑法238条の事後強盗として逮捕されたようです。


刑法235条(窃盗)
 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法238条(事後強盗)
 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

ここで、問題となるのが、タケノコ泥棒は刑法の窃盗罪にはならないという点です。では何になるのか。以前このウェブログでも紹介した森林法上の森林窃盗です。


森林法2条1項(定義)
 この法律において「森林」とは、左に掲げるものをいう。但し、主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。
一  木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹
二  前号の土地の外、木竹の集団的な生育に供される土地

森林法197条
 森林においてその産物(人工を加えたものを含む。)を窃取した者は、森林窃盗とし、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。


刑法238条の事後強盗における「窃盗」に、森林窃盗は含まれるでしょうか。この点について判示した判例は少なくともTKCのLEX/DBで検索できるものの中にはありません。

この問題の解釈においては、刑法244条のいわゆる親族相盗例が森林窃盗にも適用されるとした判例[最判1958(S33).02.04]と、刑法242条の適用を森林窃盗につき否定した判例[最決1977(S52).03.25]が参考になりそうです。


刑法244条(親族間の犯罪に関する特例)
1 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

刑法242条(他人の占有等に係る自己の財物)
第二百四十二条  自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。


前者の判例は、刑法244条の「第二百三十五条の罪、・・・・又はこ・・・・の罪の未遂罪」とは窃盗又はその未遂罪を指し、森林窃盗が含まれると解し、後者の判例は、刑法242条の「この章の罪」とは刑法36章の罪を指し、森林窃盗には適用されないと解しています。そして後者は、罪刑法定主義の一内容としての(被告人に不利な)類推解釈の禁止が関わってきます。

事後強盗も被告人にとっては不利益ですから、罪刑法定主義の一内容としての類推解釈の禁止が問題となろうかと思います。
刑法238条は端的に「窃盗が」と規定していますから、森林窃盗を当然に含み、そもそも類推適用の問題にはならないとも考えられますし、「窃盗」とは刑法235条の「窃盗の罪」を犯した者と考えれば、その「窃盗」に森林窃盗を含むのは、被告人に不利な類推解釈ともいえましょう。

以前に紹介したように、森林法の森林窃盗は旧刑法の名残で、森林の産物だけを特別に取り扱う必然性には乏しいのですが、罪刑法定主義は刑法の一大ルールですから、とにかく法がそうなっている以上、特別に取り扱うしかないとも考えられ、悩ましいところです。

ということで、今回のタケノコ泥棒事件は、今後裁判になったとしたら、意外と重要判例になる可能性もあります。

2009年5月29日

MovableType 4.25

当ウェブログの管理を司るムーバブルタイプのデータベースに異常が発生。記事の投稿が出来なくなってしまいました。

「Can't call method "execute" on an undefined value at ********/DBI.pm line ***」みたいなエラーがでて、記事の投稿を受け付けてくれない。

調べたところ、どうもバグっぽいので、結局、ムーバブルタイプを最新のバージョンに更新して何とか解決。バージョン4.0から4.25になりました。


色々新しい機能が実装されているようなので、ぼちぼち調べてみようと思います。

2009年5月30日

スクワット

相変わらず出べそになる勢いで泣き続ける娘。その度に抱っこしていろいろあやすのですが、大泣きしているとイマイチ効果がありません。

しかし、直立して娘を横抱きにした状態で膝を(直立の180度から)150度くらいまで曲げるスクワットのごく軽いやつを連続して行い、上下方向にゆらしてやると大抵泣きやむということが判明。 

同じ上下方向のゆらすのでも、腕だけ使ってゆらすのはダメで、膝を曲げてゆらさなければ泣きやみません。

何にせよ泣きやむ方法があるのはありがたいですが、泣くたびにスクワットやらされるんじゃあ父ちゃんは疲れてしまうよ。


(追記)
読者の晴雨様より、上記のあやし方は赤ん坊が軽く脳内貧血をおこして泣きやむようであり、危険であるというご指摘をコメントを通して受けました。よって、スクワットはやめておきます。晴雨様アドバイスありがとうございました。

2009年5月31日

ホワイトアスパラガス

生のホワイトアスパラガスをもらったので茹でて食べました。昔、父方の親戚が喜茂別のホワイトアスパラガスの缶詰つくっている会社にいて、お中元で缶詰をいただくのが楽しみだったのですが、生のホワイトアスパラガスは初めて。

ホワイトアスパラガスは、皮をむいて、その皮と一緒に塩茹でにするそうです。15分茹でましたが、ちと茹ですぎた感じになってしまいました。もう少し短い時間でもよかったかな。でも非常にうまかった。

今の時期しか手に入らないので、また買ってこよう。

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