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2011年5月の記事一覧

2011年5月 1日

お仕事

娘は「お仕事」という言葉を「おしっこ」と言っていたのですが,昨日くらいから「おしっごと」と曲がりなりにも言えるようになりました。

しかし,娘は,例えば食事の時間になって,ワタクシや妻が遊びをやめるよういっているのに従いたくないときに,「おしっごとなのっ」とか言うようになってしまいました。

これは,ワタクシが家で用事をしていて娘の相手をしてあげられないときに「今お仕事だから」とか言っているのをそのまま真似しているんですね。

よくないですねぇ。反省しないといけませんねぇ。

2011年5月 2日

就活

今日は,連休の谷間の平日。本来でしたら,ワタクシ修習のため札幌地検に登庁しなければならないのですが,今日は就活ということで大阪の法律事務所を訪問するため,修習は欠席にして頂きました。

最近どういう業務が多いか,修習生にはどんな勉強をしてきてほしいかなどを聞きました。

とりあえず,判例タイムズは読むことにしようと思います。

2011年5月 3日

にゃーにゃーまってよー

娘は当初は実家の猫におびえていたのですが,今回の帰省で慣れてきたらしく,猫に触りたがるようになりました。

あまり触られすぎると猫も逃げるわけで,娘が家の中で猫を追いかけて「にゃーにゃーまってよー」とかいう感じになってきました。

娘があまりに猫を怖がり続けるようだと帰省がしにくいなぁ,と思っていたので,やれやれ一安心という感じです。


今日は大学や大学院の先輩後輩同期と飯食ったりお茶したりしました。

2011年5月 6日

誕生日

今日は娘の2歳の誕生日です。2年前の今日,司法試験の直前に生まれたのですが,その後も大きな病気をすることもなく,無事に成長しているのはありがたいことです。

生まれたとき,体重2200グラムほどだったものが今では約11キロと,5倍にもなっているのには驚きます。身長も84センチと,プラス36センチ。

去年の5月のエントリーだと体重8500グラム,身長72センチということなので,この1年は縦にずいぶん伸びたかな,というイメージ。


そんな今日,大学時代の後輩の弟さん夫婦にお子さんが生まれました。予定日は結構先だったのですが,一応正産期の出産。

弟さん夫婦は奇遇にも我が家の超ご近所なのですが,子の誕生日が同じになるとは,こりゃまた奇遇なことです。

お互いに,2年前を思い出し,あるいは2年後の姿を想像するような感じになりそうです。

落ち着いたら赤ちゃんに会いに行こう。

2011年5月 7日

首相が中部電力に浜岡原発の停止要請

昨日の話ですが,菅直人首相が,中部電力に対して浜岡原発の全ての原子炉の運転停止を要請したと記者会見で明らかにしたというお話。

首相官邸のサイトへのリンク

法的に停止させる根拠はないそうですが,一国の総理大臣が要請するということはやはり大きい。

今後どうなるかわかりませんが,浜岡で福島第一みたいな事態になれば,ということを考えると,方向性としては間違っていないと思うので,今後中部電力がどう対応するのかに注目したいと思います。

2011年5月 8日

絵本3万5千冊

昨日ですが,娘を連れて一家で剣淵町の「絵本の館」に行ってきました。

剣淵町は,旭川より少し北に所在し,道央自動車道の北の終点である士別剣淵インターが最寄りです。

絵本の館は剣淵町の町立図書館という位置づけなんだと思いますが,絵本の収集に力を入れていて,その数が3万5千冊という驚くべき数。

建物も,木の床で子どもは素足で上がるようになっていて,広々としていて,子どもが遊べる設備も多く,小さい子連れにとっては大変にありがたい。図書館って,静粛が求められて子連れでは行きにくいですからね。

さすがに借り出しは返しに行くのが大変なのでしませんでしたが,いろいろな絵本があって,楽しい施設でした。

そういえば,娘を連れてこんなに遠くまで外出したのは帰省を除いては初めてかも。ようやく長い時間車に乗れるようになってきましたからね。

また行ってみたいな。

2011年5月 9日

中部電力が浜岡原発の運転停止を決定

<浜岡原発>中部電力が原子炉全面停止決定 首相要請受け

菅直人首相の「要請」を受け,中部電力の取締役会は浜岡原発の全原子炉の運転停止を決定したとのこと。

中部電力のサイトへのリンク

中部電力の水野社長は記者会見で「今回,福島第一原子力発電所の重大事故を契機に,原子力に対する新たな不安が広まりました。当社は,皆さまの新たな不安を真摯に受けとめ,安全最優先という原子力事業の基本を貫くべきであると判断いたしました。」と述べています。

一方で,水野社長は,海江田経済産業相に対して,「浜岡原子力発電所の安全対策は,法令や技術基準に基づき適切に実施されていること,および,今回の(菅首相による)要請の主旨は,福島第一原子力発電所の重大事故を受けて,国民の皆さまに一層安心していただくためのものであることを,十分に周知していただくよう要請」したということで,記者会見の内容は,浜岡原発の安全性に問題はない,ということを滲ませる内容になっています。しかし,今回の「原発震災」を受けて,中部電力としても胸を張って「浜岡原発は安全です」と言い切れなくなってしまった面があるのは否めないところであると思われ,それが故の停止決定であると言ってもよいかと思います。

使用済み燃料の問題を考えると,福島第一原発の4号炉をみれば明らかな通り,原子炉が止まったとしても安全上の問題は生じうるのですが,やがて発生するであろう東海地震に万全の備えで臨むということで,賢明な判断であったかと思います。

2011年5月10日

明日から新司法試験

当ウェブログにもカウントダウンつけていますが,いよいよ明日から第6回新司法試験が行われます。

今年は東日本大震災の関係で,東北の受験生の中には仙台会場の変更など大変な労苦を強いられた方もおられると思います。しかし,どんな条件にあったとしても,とにかく4日間の試験日程を闘い抜くしかありません。

受験生の皆様,最後の一問まで諦めず,力の限りを尽くしてください。

2011年5月15日

新司法試験・予備試験お疲れでした。

中一日の休みを挟んで,4日間にわたった第6回新司法試験が本日終了。

同期や先輩・後輩には今年で回数制限いっぱいの3回目の受験をした人も多く,何人かと試験後飲みました。

一様に明るい顔をしていたので,少なからず安心。とにかくチャレンジしないことには合格することはありえないので,勇気を出して試験を受けたことに敬意を表します。

受験された皆様お疲れ様でした。

あと,今日は今年から始まった司法試験予備試験,すなわち法科大学院卒でない者に新司法試験の受験資格を付与するための試験が行われました。予備試験は,旧司法試験風に5月短答試験,7月論文試験,10月口述試験と段階を追って行われます。

こちらも,受験された方お疲れ様でした。

2011年5月19日

決裁官と関西弁トーク

検察修習では,実際の事件の取り調べなど捜査を行い,被疑者についての終局処分,つまり起訴するか不起訴にするか,起訴にするとして公判請求か略式か,ということについての決裁を受けなければなりません。

検察官は独任制の官庁,すなわち個々の検察官はそれぞれが検察権を行使できるということになっていますが,同時に,検察官同一体の原則というのもあって,検察官は検事総長を頂点とした指揮系統に服しています。


検察庁法1条1項

検察庁は、検察官の行う事務を統括するところとする。


そのことの是非というのはあろうかと思いますが,修習生の立場としては当然ながら勝手なことはできないわけでして,処分方針について指導担当検察官と協議して決定したら,部長,次席,検事正と順次決裁を受けに行くことになります。

決裁は大変緊張する訳ですが,4月に着任された次席検事が関西弁バリバリなもので,私もつられて関西弁が出てしまい,私にとっては多少緊張がほぐれる感じになっています。

「被疑者は○○を投げた,と言ってまして,あ,投げたってのは北海道弁でして,捨てた,要はほかした,ちゅうことですワ」みたいなことを次席には言うてます。

2011年5月21日

フットサル

修習生有志が集まって班対抗のフットサル大会が開催されました。

H大ルールで,女性は1ゴール3点ということになっていたのですが,男性のみが参加で,このルールは死文化してしまいました。

私は,娘を連れて半ば子守をしながらの参加でしたので,1ゲーム位しか参戦できませんでしたが,久しぶりのフットサルはなかなか楽しいものでした。

ちなみに,我が班は余り芳しくない成績に終わってしまいました・・・・。

2011年5月25日

人に対して公訴権を行使するということ

検察修習もいよいよ終盤に突入し,配点された事件の決裁に追われています。

私の担当したある事件について,公判請求という終局処分方針を立て,決裁官に決裁を仰ぎにいったのですが,私が気づいていなかった問題点を指摘され,決裁を得られませんでした。

「人に対して公訴権を行使するということはすごく重いことなのだから,慎重に慎重を重ねなければならない」という趣旨のことを仰っていました。

安易に方針を立てたつもりはなかったのですが,私が周辺的なエピソードと思っていた点が,場合によっては大きな問題になり得ることに考えが及んでいなかったのが原因です。

難しいです。

2011年5月27日

検察修習終了

今日で,検察修習が終了。最終日にも取調べが入ったりと,バタバタしました。

たった2ヶ月間でしたが,今まで見ることのなかった検察の仕事ぶりの一端に触れることができ,有意義でした。検察にとっては,多くの修習生は将来弁護士になって検察とは対立当事者になるにもかかわらず,同じ法曹ということで手の内をいろいろ教えて頂いたと思います。ある意味,最高の刑事弁護修習だったのかもしれません。

あと,検察修習は指導体制がしっかりしている分,弁護修習や裁判修習よりやりやすい面がありました。


あと,どうでもいいけど,今日の昼飯に,一度やろうと思っていた「取調べ室で食べるカツ丼」を敢行。

2011年5月28日

NZ産温州みかん

今日,スーパーに行ったら「ニュージーランド産温州みかん」というのが売っていて,珍しいなと思い購入。「千両みかん」みたいに高いことはなく,6個で398円。

味も十分においしかったですよ。


南半球だと季節が裏ですから,丁度今の時期が旬ということなんでしょうね。

2011年5月29日

これは危機一髪

<特急脱線>トンネル内から車両撤去 6両が全焼 北海道」(ヤフーニュースより)


ちと書くのが遅くなってしまいましたが,27日の夜に占冠村のJR石勝線トンネル内で釧路発札幌行きの特急が脱線出火したという事故がありました。

今日になって現場から車両が牽引搬出されましたけど,6両編成の気動車が無残に全焼しており,こんな大事故で死者がいなかったのはまさに幸運であったという他ありません。まさに危機一髪だったようですね。

これから事故原因の究明が行われると思いますが,しっかりと調査して再発防止策を立ててほしいですね。

2011年5月30日

刑事裁判修習開始

私の司法修習における実務修習も弁護,民事裁判,検察ときて,今日から刑事裁判修習がスタート。実務修習も完全に折り返し点を過ぎました。

最初のうちは起案やら,模擬裁判やらで忙しいようです。あと,途中で家庭裁判所修習が1週間入るし,裁判員裁判とか見ていたら,またあっという間に終わってしまいそうです。

2011年5月31日

原賠法の免責条項について

ずいぶん前から宿題になっていたのですが,この間の週末に,大学の図書館に行っておよそ半世紀前の『ジュリスト』のコピーを取ってきました。1961年10月15日発行の236号。お目当ての記事は「特集 原子力損害補償」という記事で,あの我妻栄氏による解説など,なかなか豪華なものです。

で,興味があったのは,原子力損害の賠償に関する法律(いわゆる原賠法)3条1項ただし書きの免責条項と,国の支援の関係。


原子力損害の賠償に関する法律

第3条第1項
 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。


第16条
1 政府は、原子力損害が生じた場合において、原子力事業者(外国原子力船に係る原子力事業者を除く。)が第三条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。
2 前項の援助は、国会の議決により政府に属させられた権限の範囲内において行なうものとする。

第17条
 政府は、第三条第一項ただし書の場合又は第七条の二第二項の原子力損害で同項に規定する額をこえると認められるものが生じた場合においては、被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずるようにするものとする。


原賠法3条1項本文は,原子力事業者の無過失責任を定めていますが,同条項ただし書きは,「異常に巨大な天災地変」によって生じた原子力損害については事業者を免責する規定になっています。

今回,福島第一原発は東日本大震災の地震と津波の影響で大量に放射性物質を放出する大事故を起こしているわけですが,東日本大震災の規模の大きさに照らせば,この大事故が「異常に巨大な天災地変」によって生じたとして,事業者である東京電力は免責を主張することも十分に考えられることです(現に,一部訴訟で東電がその抗弁を出しているというニュースもありました)。


上記ジュリストは,原賠法の立法当時の議論が反映されていて,参考になるのですが,この点について,特集中の「座談会 原子力災害補償をめぐって」で,通産省炭政課長(前原子力局政策課長)の井上亮氏と,東大教授の加藤一郎氏が次のように発言しています。


井上 ・・・・法案では「異常に巨大な天災地変」という言葉を使っています。少なくとも関東大震災の三倍以上くらいの地震これはいまだかってない想像を絶した地震というようなものを一応考えています。およそ想像が出来る,あるいは経験的にもあったというのは,この「異常に巨大な天災地変」の中には一応含まれないという解釈をしているわけです。

加藤 ・・・・今おっしゃった三倍という見当は,現在作っている原子炉が大体そういう基準でできているのですか。

井上 一応そういうことも考慮の中に入っていたわけです。東海村の建設中のコールダーホール(引用者注:英国型のガス冷却炉の通称)の設計基準が,大体関東大震災の二倍程度の地震にたえうるような設計ということになっていますが,一応ここでは常識で考えられない,歴史上いまだかってないようなという趣旨です。

(ジュリスト236号16頁から)


「関東大震災の三倍」というのが,どういう基準で三倍とか言っているのかはよくわからないのですが(マグニチュードの関係で言っているのではないことは間違いないと思います。関東大震災はマグニチュード7.9ですから,M8.3で三倍以上になってしまいますからね),この言い回しは一種の例えで,「いまだかってない想像を絶した」「常識で考えられない,歴史上いまだかってない」というところに主要な眼目があることになろうかと思います。

そうであれば,今回の東日本大震災は,なるほど巨大地震津波であることは否定できないものの,「歴史上いまだかってない」という規模とまではいかないので,免責条項の適用にはやはり否定的に傾くものと思います。


それから,仮に原賠法3条1項ただし書きの免責条項が適用された場合,原子力損害に対する賠償はどうなるのでしょうか。この点について,前にツイッターのタイムラインで指摘されているのを読んだのですが,我妻栄氏は上記座談会で上記引用部分に引き続き以下のように述べています。


我妻 ・・・・今の巨大かつなんとかという場合には,・・・・この部分は事業者も責任がないから国家も責任がない,そして災害救助でやる。つまり伊勢湾台風と同じに取り扱うというのです。
(ジュリスト236号17頁)


つまり,原賠法の免責条項が発動すると,原子力損害についての損害賠償は誰にも請求できず,ただ天災に対する救助と同様に一定の手当てがなされるに過ぎなくなる,ということです。

これは,原賠法16条と17条をよく読むと明らかなのですが,ワタクシこの点については地震の前には勘違いしており,免責の場合は国が賠償について面倒見てくれるのかと思っていました。


とりあえずざっと読んで印象的だったのはこんな感じでした。


(2011年6月3日追記)

Tanaka HDU氏に,有斐閣のサイトで上記で紹介したジュリスト236条の特集をはじめとした,「原発問題・災害対策・被害者救済・安全政策などでかつてジュリスト誌に掲載し,今後の復興政策を考える上で参考となる記事」が無料でPDFデータで公開されているということを教えて頂きました。関心ある方は是非ご覧になってください。

有斐閣のサイトへのリンク

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