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2009年6月10日

縦割り

まずは数日前のこのニュースから。

車同士が衝突、1台炎上5人死傷=カーブではみ出しか-北海道」(ヤフーニュースより)

現場は札幌から定山渓温泉を経て洞爺湖に向かう国道230号線の、札幌側からみると「あげいも」で有名な道の駅がある中山峠を過ぎて喜茂別に入ってすぐくらいの下り坂で、運転にはそれなりに神経を使う場所なのですが、上記事故は札幌方面から走ってきて坂を下っていた車がセンターを割って、反対側から坂道を上ってきた車とぶつかったというもの。

この事故に、次のような事情があったというニュース。

中山峠、見えぬ中央線 7日に2人死亡 誤って対向車線へ」(北海道新聞のサイトより)

現場は上り坂2車線(登坂と走行)、下り坂1車線でいわゆるはみ禁のオレンジのセンターラインなのですが、オレンジの線が消えてしまっている一方、上り坂のレーンを分ける白の破線がきれいに塗り直されていた結果、白破線をセンターラインと錯覚してしまう車が続出していたということ。

模式図で表すと、本来図1のようにあるべきだったところ、

090610.jpg
(図1)

オレンジが消えていたために図2のようになっていたということです。しかも、下り坂方面は道の駅からの合流があるので、ますますわかりにくいのです。

090610b.jpg
(図2)

上記記事中の写真を見てもらえれば一目瞭然なのですが、錯覚しても不思議のない状況で、7日の正面衝突はある意味起こるべくして起こった事故ではないでしょうか。

センターラインは公安委員会、レーンの白破線は開発局と管轄が異なっていたために起こったことと説明されていますが、いかにも縦割り行政の弊害という感じで、もうアホか、と。

本件では、国賠2条の営造物責任を問うこともあながち不可能ではないような気がします。あんな紛らわしいライン、道路が通常有すべき安全性を欠いているといってもよさそうに思えます。

なお、今日になって公安委員会があわててセンターラインを塗り直したそうですワ。

道公安委、中央線塗り直し 中山峠の死亡事故現場付近2キロ」(北海道新聞のサイトより)

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