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2005年11月15日

レポートと戦艦日向

刑法ゼミのレポートで、シャッターが刑法260条にいう建造物か否か、という論点を調べていました。

その過程で、変わった裁判例が出てきました。なんと、第二次大戦中の戦艦が刑法260条にいう建造物に当たる場合がある、というもの。

熊嶺通信Laboratoryへのリンク

(事例の概要)
第二次世界大戦の末期に、旧日本海軍の戦艦日向が瀬戸内海で米軍の攻撃で沈められた。しかし、浅い海だったので、全部沈みきらないで上部構造が出た状態になっていた。
終戦後すぐ、GHQの指示で破壊されたのだが、海面から突き出ている上部構造部を取り壊しただけで、残りは沈んだまま放置されていた。
ある業者がそれに目を付けて、スクラップとして払い下げを受け、サルベージして沖合に係留して解体作業を進めていた。
それに目を付けたスクラップ泥棒が、ハンマーを持って忍び込み、砲金(銅と錫の合金)でできたバルブを盗ろうとして壊したら、海水がどっと入ってきて、哀れ、再び沈んでしまった。

この判決は、刑法260条にいう艦船は、自力・他力航行能力を有していなければならず、その時点では浮いているとはいえスクラップであるところの日向は艦船ではないとしつつも、依然大規模な構造を有し、多くの人の出入りする室を有する日向は、いわば「浮べる解体工場」であり、かつ、地上ではないとしても一定の場所に繋留されていたものであるから、家屋類似の工作物であって刑法260条にいう建造物に当たる、とした。

こんな事件もあったんだなぁ、と驚くことしきり。


・・・・尤も、今日になって、シャッターの部分考えなくてもいいという指示が担当教員から来て、全く、無駄になってしまったけどね。

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