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2009年10月 9日

厳重注意ってのは何なんだ?

橋下府知事ブチ切れた!不遜メール職員に処分」(ヤフーニュースより)


大阪府の橋下知事が、府幹部の議会答弁を問題視した内容のメールを全職員に送信したところ、ある職員が「愚痴はご自身のブログ等で行ってください」などと返信し、知事と職員の間で応酬になり、8日に至って、「トップへの物言いとして逸脱している」として、府が当該職員を口頭で「厳重注意」したという報道。

この「厳重注意」ってのは法的にはなんなんでしょうか。

地方公務員法の定める職員の懲戒処分には戒告、減給、停職、免職の4種類があります。


地方公務員法29条

1 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
一  この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
二  職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三  全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
(中略)
4 職員の懲戒の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。


んで、地方公務員法29条4項に基づき、大阪府には「職員の懲戒の手続及び効果に関する条例」というのがありまして、以下はその一部。


第2条(懲戒の手続)
1 任命権者(特定地方独立行政法人の理事長を含む。)は、法第二十九条第一項第二号又は第三号の規定により懲戒処分をしようとする場合においては、関係者その他適当と認める者の意見を聴くなど、公正を期さなければならない。
2 戒告、減給、停職又は免職の処分は、その旨を記載した書面を当該職員に交付して行わなければならない。


今回の「厳重注意」は、口頭で行われたそうなので、地公法上の懲戒処分ではなく、事実上の措置にすぎないようです。早い話「怒られちゃった」ということ。その意味で、記事のタイトルの「処分」ちゅうのは多分にミスリードですな。


(お知らせ)
明日から数日間ネットの使えない環境に出かけますので、更新はお休みです。次回更新は15日頃の予定です。

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